秘め恋

 大好きというアオイの言葉に対し、難なく笑って答えることができた。

「そういうこと、友達には言わないでしょ」

「友達にも言うよ。ホント助かる。ありがとね。やりづらいと思うけど、背中は水着の下にも塗ってくれるかな? 指挟んでくれていいから」

「了解」

 アオイに手渡された日焼け止めクリームを適量出し、

 大丈夫。前にやった通りにやればすぐ終わる。そう。余計なことは考えず平常心で。

 脈打つ指先がかすかに震えるのを感じつつ、彼女の背中にそっと指を滑らせた。

「…………!」

 思考力と共に、マサは言葉を失った。

 クリームのせいなのか、驚くほどなめらかな感触が指先に伝わる。想像以上に柔らかい手触りだった。吸い付くようにしっとりしている。

 アオイの肌に触れた瞬間、体に男特有の熱と高揚がこもりはじめ、マサはとっさに手を離した。

 アオイの背中に揺れた指先の熱を通して彼女にこちらの気持ちが見透かされてしまう気がした。










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