あの日みた月を君も
episode-8
episode-8
翌朝、起きると頭痛がした。
昨晩飲み過ぎたんだろうか。二日酔いなんて珍しいことだった。
それにしても、あまりにも安易に今日会おうだなんて約束をしてしまったことに、少し後悔する。
階段を降りて台所に向かう。
既にミユキは起きていて、台所で朝食の準備をしていた。
「おはよう。」
ミユキの後ろ姿に声をかける。
ミユキはハッと驚いたような顔でこちらを振り返った。
「あ、おはようございます。昨晩も遅かったのね。」
「ああ、毎晩遅くてすまない。」
「今日は?」
僕の方をじっと見つめているであろうミユキの方は見ずに、コップに水を注ぎながら答えた。
「今日も遅くなりそうだ。食事も外でとってくるから。」
「そうなのね。今日はお仕事関係の方とお食事?」
ミユキはいつになくしつこく聞いてきた。
「ん、まぁそんなとこだ。なるべく早く帰るよ。」
とはいいながらも、久しぶりに会うアユミと長く過ごしたいと思っていた。
「わかったわ。」
「先に寝ておいてくれて構わないから。」
「・・・はい。」
ミユキは小さく答えると、また手元の包丁に顔を戻した。
先に寝ておいてくれと言わなかった日は、必ずミユキは僕の帰りを待ってくれていた。
本当ならありがたいことなんだろうけど、今の僕には待たれることが辛かった。
だから、先に寝るようにっていう事は最近毎朝のように伝えていた。
水を飲みながら、ミユキの横顔をちらっと見る。
少し痩せただろうか。
耳元から首にかけてのラインがシャープになったように見えた。
翌朝、起きると頭痛がした。
昨晩飲み過ぎたんだろうか。二日酔いなんて珍しいことだった。
それにしても、あまりにも安易に今日会おうだなんて約束をしてしまったことに、少し後悔する。
階段を降りて台所に向かう。
既にミユキは起きていて、台所で朝食の準備をしていた。
「おはよう。」
ミユキの後ろ姿に声をかける。
ミユキはハッと驚いたような顔でこちらを振り返った。
「あ、おはようございます。昨晩も遅かったのね。」
「ああ、毎晩遅くてすまない。」
「今日は?」
僕の方をじっと見つめているであろうミユキの方は見ずに、コップに水を注ぎながら答えた。
「今日も遅くなりそうだ。食事も外でとってくるから。」
「そうなのね。今日はお仕事関係の方とお食事?」
ミユキはいつになくしつこく聞いてきた。
「ん、まぁそんなとこだ。なるべく早く帰るよ。」
とはいいながらも、久しぶりに会うアユミと長く過ごしたいと思っていた。
「わかったわ。」
「先に寝ておいてくれて構わないから。」
「・・・はい。」
ミユキは小さく答えると、また手元の包丁に顔を戻した。
先に寝ておいてくれと言わなかった日は、必ずミユキは僕の帰りを待ってくれていた。
本当ならありがたいことなんだろうけど、今の僕には待たれることが辛かった。
だから、先に寝るようにっていう事は最近毎朝のように伝えていた。
水を飲みながら、ミユキの横顔をちらっと見る。
少し痩せただろうか。
耳元から首にかけてのラインがシャープになったように見えた。