あの日みた月を君も
episode-9
episode-9
アユミはゆっくりと静かに、僕と今日会うまでにあった出来事を話し始めた。
卒業してすぐに、父親から紹介された宇佐見ダイスケという10歳上の男性と結婚したの。
彼は不動産業を営んでいて、若社長だった。
お金もたくさん持っていて、色んな私の知らない遊びも知っていて。
付き合い初めてすぐは、とても刺激的で未知の世界を私に教えてくれる頼りになる人だった。
結婚したら、仕事が忙しいせいか、ほとんどうちには帰らなかった。
でも仕事は順調なようだったわ。
家事も食事もお手伝いさんが全てやってくれて、私は彼に渡されたおこづかいで自分の好きなものを買って過ごすだけの生活。
買い物も、そのうち飽きてきて、気がついたら一人家でぼーっと過ごすことが多くなっていった。
一緒に同居していたお姑さんも私がそんなだから愛想つかしたんだと思うけど、最初は優しかったけどだんだんと口調が厳しくなっていった。
「何もしないなら、せめて子供だけでも。」
なんて言われちゃって。
彼が毎晩遅いこともあったけど、なかなか私達には子供ができなかった。
結婚して1年が経った頃、お姑さんとお手伝いさんが私がいるのを知らず、子供ができないのは私の体に何か問題があるんじゃないかって話してるのを聞いてしまったの。
ショックだったわ。
お手伝いさんは、いつも私の話を聞いてくれて味方だと思ってたのに。
この家で私の味方になってくれるのはもう旦那しかいないって。
そう思った時に、彼が外に女の人を作っているっていう事を知ってしまった。
アユミはゆっくりと静かに、僕と今日会うまでにあった出来事を話し始めた。
卒業してすぐに、父親から紹介された宇佐見ダイスケという10歳上の男性と結婚したの。
彼は不動産業を営んでいて、若社長だった。
お金もたくさん持っていて、色んな私の知らない遊びも知っていて。
付き合い初めてすぐは、とても刺激的で未知の世界を私に教えてくれる頼りになる人だった。
結婚したら、仕事が忙しいせいか、ほとんどうちには帰らなかった。
でも仕事は順調なようだったわ。
家事も食事もお手伝いさんが全てやってくれて、私は彼に渡されたおこづかいで自分の好きなものを買って過ごすだけの生活。
買い物も、そのうち飽きてきて、気がついたら一人家でぼーっと過ごすことが多くなっていった。
一緒に同居していたお姑さんも私がそんなだから愛想つかしたんだと思うけど、最初は優しかったけどだんだんと口調が厳しくなっていった。
「何もしないなら、せめて子供だけでも。」
なんて言われちゃって。
彼が毎晩遅いこともあったけど、なかなか私達には子供ができなかった。
結婚して1年が経った頃、お姑さんとお手伝いさんが私がいるのを知らず、子供ができないのは私の体に何か問題があるんじゃないかって話してるのを聞いてしまったの。
ショックだったわ。
お手伝いさんは、いつも私の話を聞いてくれて味方だと思ってたのに。
この家で私の味方になってくれるのはもう旦那しかいないって。
そう思った時に、彼が外に女の人を作っているっていう事を知ってしまった。