あの日みた月を君も
教室に戻ると、カスミの顔色が悪い。
「どうしたの?」って一応聞いてみる。
「大山くん、何か言ってたでしょ。」
カスミは目を伏せたまま言った。
「あれは、本心じゃなかったの。ちょっとね、リョウに嫉妬してただけなんだから。そこんとこわかっておいてね。」
な、何の話?
ヒロから聞いた話と全く重ならないんですけど。
私がきょとんとした顔をしているので、カスミは「え?」って顔になる。
言っちゃまずかった?的な。
きっと言わなくていいこと言っちゃったんだろうね。
ヒロは全部を私に話さなかったんだ。
たぶん、その話は私が傷つくって思ったんだろう。
カスミの言った事とカスミの表情から、わかってしまった。
ヒロが私を気遣ってくれた気持ち。
「ごめん。」
背後で小さな声で言うカスミのことなんて、どうでもよくなっていた。
それよりも、隣でほおづえをついて、先生が来るのを待ってるヒロのことが。
すごくすごく気になっていた。
きっと今までも気になってたけど、それとは比べものにならないくらいの気持ち。
こういうのを恋っていうのかな。
恋。
心の中で声にした瞬間、胸の奥が熱く火照ってきた。
今すぐこの場所から逃げ出したいくらいに。
隣で座っていることが堪えきれないくらいにドキドキしてる。
だけど、そばにいたいっていう矛盾した感覚が一気に膨らんでいった。
ヒロ。
ずっと会いたかった人だ。
ずっと会いたかった人?
いや、そういう表現はおかしいか。
出会うべくして出会ったっていうべきか。
先生が教室の扉を開けて入ってきた。
ちらっとヒロの方を見たら、ヒロが私に視線を向けていた。
心臓が飛び出そうになる。
な、なんなの?
ヒロは、そんな私を見てくすっと笑った。
やっぱり変だよね。今の私。
その日は、変だった。
帰宅したら、背中がかちんこちんになっていた。緊張しすぎだっての。
「どうしたの?」って一応聞いてみる。
「大山くん、何か言ってたでしょ。」
カスミは目を伏せたまま言った。
「あれは、本心じゃなかったの。ちょっとね、リョウに嫉妬してただけなんだから。そこんとこわかっておいてね。」
な、何の話?
ヒロから聞いた話と全く重ならないんですけど。
私がきょとんとした顔をしているので、カスミは「え?」って顔になる。
言っちゃまずかった?的な。
きっと言わなくていいこと言っちゃったんだろうね。
ヒロは全部を私に話さなかったんだ。
たぶん、その話は私が傷つくって思ったんだろう。
カスミの言った事とカスミの表情から、わかってしまった。
ヒロが私を気遣ってくれた気持ち。
「ごめん。」
背後で小さな声で言うカスミのことなんて、どうでもよくなっていた。
それよりも、隣でほおづえをついて、先生が来るのを待ってるヒロのことが。
すごくすごく気になっていた。
きっと今までも気になってたけど、それとは比べものにならないくらいの気持ち。
こういうのを恋っていうのかな。
恋。
心の中で声にした瞬間、胸の奥が熱く火照ってきた。
今すぐこの場所から逃げ出したいくらいに。
隣で座っていることが堪えきれないくらいにドキドキしてる。
だけど、そばにいたいっていう矛盾した感覚が一気に膨らんでいった。
ヒロ。
ずっと会いたかった人だ。
ずっと会いたかった人?
いや、そういう表現はおかしいか。
出会うべくして出会ったっていうべきか。
先生が教室の扉を開けて入ってきた。
ちらっとヒロの方を見たら、ヒロが私に視線を向けていた。
心臓が飛び出そうになる。
な、なんなの?
ヒロは、そんな私を見てくすっと笑った。
やっぱり変だよね。今の私。
その日は、変だった。
帰宅したら、背中がかちんこちんになっていた。緊張しすぎだっての。