あの日みた月を君も
わわ。

思わず言っちゃったけど。

大丈夫~?

私の代役誰かに頼めるのかな?

そっちの方が心配になってきた。

「まじで?」

茶髪女子は、まさかこういう展開になるとは思わなかったのか、目を丸くして他の2人を顔を見合わせた。

・・・単純。

「ええ。あなたたちにそんなこと言われるくらいなら交代するわ。面倒臭いし。」

「誰、と交代する気?」

さっきまでの威勢はどこへやら。

「そうねぇ。元々は近藤カスミがやる予定だったし、申し訳ないけど交代してもらうようお願いするわ。彼女なら文句ない?」

「近藤、カスミ?・・・ええ、あの子なら、いいわよ。」

何それ。

私とどこがどう違うっての?

不愉快かつ、不審に思いながらも、納得した様子だったので、

「私、急いでるの。もう帰ってもいい?」

と言った。

3人組は、呆然と頷いた。

ほんと、くっだらない。

私は3人にくるっと背を向けると靴箱を抜けて校舎から出た。

っと、そしたら、目の前にいる誰かにドンとぶつかる。

くらっとよろけて、なんとか踏みとどまる。

「すみません。」

顔を上げる前にぶつかった相手に謝った。

顔を上げると、

大山ヒロがそんな私を見下ろしていた。

ひょっとして、今の話聞かれてた??

どうして、ここに立ってるのよ。

急に額にへんな汗がにじんだ。

私、余計なこと言ってなかったかな。

ヒロのこと。

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