あの日みた月を君も
6.電車
6.電車
ショウコと別れた帰り道。
気がつけばもう外は真っ暗だった。
ショウコはそのまま塾に向かうと行って、私と反対方向の電車に乗っていった。
駅のホームから家に電話をかける。
母は暢気なもんで、
「気をつけて帰ってらっしゃい。」
とだけ言って電話はあっさり切れた。
駅まで普通迎えに来ない?年頃の娘を持った親ってのは。
時計は既に7時を回ってるってのに。
とりあえずホームに来た電車に飛び乗った。
電車の中は、ラッシュアワー時ですし詰め状態。
なんとか隙間を見つけて、その空間に自分の体を納めることができた。
「やあ。」
自分の頭一つ分上の方から声が聞こえた。
私に言ってんの?
違う場合もあるから、とてもさりげなくその声の方に顔を向けた。
「佐久間さん、結構遅い時間まで出歩いてるんだ。」
その声の主は、大山ヒロだった。
遅い時間まで出歩いてるね、ってヒロもじゃんか。
人を不良扱いしないでよね。
こんなこと滅多にないんだから。
それにしてもヒロの話をしてたショウコと別れてすぐにヒロの顔を見ようとは。
思いもしなかった状況に一瞬戸惑う。
「大山くんも遅いじゃない。」
ヒロに向けていた顔を元に戻して言った。
「僕?今塾の帰りなんだ。土曜日に塾があってさ。」
「ふうん。そうなんだ。」
「佐久間さんは?」
「別に何だっていいじゃない。」
言ってしまってから、ちょっときつかったかなと反省する。
ショウコと別れた帰り道。
気がつけばもう外は真っ暗だった。
ショウコはそのまま塾に向かうと行って、私と反対方向の電車に乗っていった。
駅のホームから家に電話をかける。
母は暢気なもんで、
「気をつけて帰ってらっしゃい。」
とだけ言って電話はあっさり切れた。
駅まで普通迎えに来ない?年頃の娘を持った親ってのは。
時計は既に7時を回ってるってのに。
とりあえずホームに来た電車に飛び乗った。
電車の中は、ラッシュアワー時ですし詰め状態。
なんとか隙間を見つけて、その空間に自分の体を納めることができた。
「やあ。」
自分の頭一つ分上の方から声が聞こえた。
私に言ってんの?
違う場合もあるから、とてもさりげなくその声の方に顔を向けた。
「佐久間さん、結構遅い時間まで出歩いてるんだ。」
その声の主は、大山ヒロだった。
遅い時間まで出歩いてるね、ってヒロもじゃんか。
人を不良扱いしないでよね。
こんなこと滅多にないんだから。
それにしてもヒロの話をしてたショウコと別れてすぐにヒロの顔を見ようとは。
思いもしなかった状況に一瞬戸惑う。
「大山くんも遅いじゃない。」
ヒロに向けていた顔を元に戻して言った。
「僕?今塾の帰りなんだ。土曜日に塾があってさ。」
「ふうん。そうなんだ。」
「佐久間さんは?」
「別に何だっていいじゃない。」
言ってしまってから、ちょっときつかったかなと反省する。