さくら 咲け
「落ち着いた?」
完全に涙が止まって、私が顔を上げると良太くんは優しい表情でこっちを見てた。
「...うん。ありがとう」
私の顔があったところを見ると、グッショリと濡れている。
「あぁ、ごめんね!洗って返すから!脱いで!」
「ちょ、落ち着いて麻奈ちゃん!今すぐ俺を上裸にする気!?」
「あっ、あぁぁ、ち、違うから!
そうじゃなくてっ!」
「そうじゃないの?
じゃあもしかして俺の全裸...「違う!!!!」
ハァハァと肩で息をして私が言い返すと、良太くんはニッコリと笑って
「元気になったね」
と言った。
「うん...ありがとう」
「それもう聞いたよ。
別に洗って返さなくていいから。しばらくしたらすぐ乾くし。」
「...そう?でもやっぱ汚れてるし...」
「いーよ、いーよ、そんくらい。
それでさ...」
そう言いながら良太くんはグイッと顔を近づける。~っ、整ってる顔だなぁ...。
「あのさ、麻奈ちゃん。こんな時に申し訳ないんだけど、好きになっちゃった」
「はぁ?!」
「もちろん、ちゃんと恋愛的な意味で、だよ?」
「い、いつから...!?」
「今。」
「はぁぁ!?」
「大好きな人のこと、大切に出来る子なんだなって思ったら好きになっちゃった。
だからさ、早く圭介じゃなくて俺を好きになってよ」