さくら 咲け
...良太くんの告白。
『早く俺を好きになってよ』
あれを言われてすぐ、「じゃあ戻ろっか」と言ってスタスタと歩き始めてしまった良太くん。
私が遅れたら止まって待ってたりもしてくれたけど、いつも通りすぎて、さっきの言葉が夢ではなかったのかと思った。
でも、またお互いの教室に戻る時になって
「俺、本気だから」
と、耳元で囁いてきて、夢ではないと思い出させられた。
私はドキドキしすぎて、意識しすぎて、その後の仕事がろくにできなかった。
そのうえ、圭介くんを呼ぶ「佐藤」という言葉にまで反応してしまって、片付けの時は教室から逃げてしまいたくなった。
告白されるなんて初めてで、どうすればいいかわからない。
文化祭が終わってしばらくしてからも良太くんに関わるすべてにドキドキしてしまって、しまいには沙奈に会うだけで顔が赤くなった。