さくら 咲け
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「今マフラー作ってるんだって?」
授業間の休み時間。花穂ちゃんが私の席まで来て聞いてきた。
「え、どこからそれを」
「毛糸ついてる
あと、沙奈ちゃんが頑張ってるのを見かけた」
「え、毛糸どこ」
「取ったよ」
「そっか。ありがと」
ていうか、花穂ちゃんの観察眼すごいね。
服についた毛糸見つけたり、沙奈の姿を目撃したり。
私も見習わなきゃ。...使い道ないけど。
「麻奈ちゃんマフラーとか作れるんだね」
私と花穂ちゃんが話してるのを見かけた朱里ちゃんもこっちに来た。
「うん。昔からそういうのだけはできて」
「そういうのだけっても、十分すごいよ」
平然と褒めてくれるものだから、動揺して上手く喋れなくなる。
「そ、そうかな」
面と向かって言われるとなんか照れるな...。
「沙奈ちゃんはこういうの出来るの?」
「んーん、出来ない。
だから今教えてるんだ。」
だんだん上達はしてきてるんだけどね。
「私も教えて欲しいなぁ~」
朱里ちゃんの言葉に少しだけ疑問符が浮かぶ。
「じゃあ私も」
花穂ちゃんの言葉でなんとなく、確信に変わった。
「えっ」
もしかして。
「今日帰り一緒に帰れる?」
「え、うん」
もしかしてマフラー作るつもり?
「じゃあ、行こ!」
元気よく朱里ちゃんが言う。
「私の家で」
場所かな?
「おーけい!」
...決まっちゃった。
今日の放課後は、3人でマフラー作りみたいです。