さくら 咲け
「どうして!?」
なんで沙奈が泣きそうになってるの?
「どうしてって...」
「諦めないでよ!」
やめて、沙奈。
これ以上、あんたが悲しそうな顔しないで。
「なんで沙奈がそんな事言うのよ...」
思わず声に出して聞いた私に、沙奈は当然のように言い放った。
「麻奈ちゃんが、大好きだから。
麻奈ちゃんには、幸せになって欲しい。毎日笑っていて欲しい。
良太には、それができると思う」
私のどこがそんなに沙奈を動かすの?
魅力なんて無い、そんな私に。
「なにを根拠に...」
「良太、麻奈ちゃんのことばっかりだもん」
「え、」
「マフラー作るって言った時だって、麻奈ちゃんは作るの?上手なの?
沙奈はできたみたいだけど麻奈ちゃんはできた?
って...麻奈ちゃんのことばっかり。」
「~っ、」
良太くん。
「自分のことを考えてくれる人いるのに、どうして逃げるの?
嫌いなわけでは、ないんでしょう?」
「嫌いなわけでは、ないよ」
良太くん。
「じゃあ、」
「友達だからって、誰とでも付き合えるわけじゃないじゃん!」
ごめんね、良太くん。
こんなに私を想ってくれてたのに。
「麻奈ちゃん...」
私が言った言葉にハッとする沙奈。
つい、強く言い過ぎちゃった。でも、それ以外に言いようがないよ。
まだ、決められないんだ。