さくら 咲け

圭介くんの方の佐藤くんも無事来てくれることになって、4人で一緒にラウンジで食べることになった。



「ごめーんおまたせっ!」



元気な声で佐藤くん兄が来る。



「あ、昨日ぶりだね、佐藤くん」



「あ、やっと佐藤きた」



「良太遅いよ、何やってたの」



「ごめんごめん。ちょっと女子に話しかけられて抜け出せなくってさ」



女子と話してたのか~、そりゃまぁなかなか抜け出せないよね、女子おしゃべり好きだし。



「そういえばだけどさ金井ちゃん、俺、言い忘れてたけど良太でいいからな、呼び方。

両方佐藤くんだと大変だろ?」



唐突に言われてびっくりする。さっき私が佐藤くんって呼んだの気付いてたのか。



チャラくても、しっかり周りを見れるんだね。



「わかった。良太くんね。」



「あ!じゃあ私も良太って呼ぼうかな。佐藤くんと混ざるし。」


「おう。じゃあ俺もこれから麻奈ちゃんと沙奈って呼ぶよ。」



「「わかった」」



私と沙奈の返事が揃って私たちはお互いの顔を見つめ合う。



たまにどころじゃなく、ふつうにあるよね、こういうこと。



「あ、俺に関しても普通に下の名前でいいから。

俺が呼ぶ時はその時によって変えるけど。」



今まで黙ってた圭介くんも言ってくれて、4人はとりあえず全員下の名前で読んでいいことになった。



これからは呼びやすい。やったね。


***


「ふぅ、もうお腹いっぱい
そろそろ教室戻ろー?」



お腹を撫でながら沙奈が言った言葉で全員ラウンジを出ることにした。



「最後のLHRって林間学校についてだったよね?」



「そうそう」



「だったら寝なくてすみそう♪」



こら、沙奈。



嬉しそうに言わないの。どの授業でも起きてなさい。




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