さくら 咲け
「あれ、麻奈ちゃん!」
私の存在に気づいたらしき良太くんが私の名前を呼ぶ。
いつもの、かっこいい笑顔。
「どーしたん?こっちまできて
まさか、俺にチョコを...!?」
期待したように、目を輝かせながら良太くんが言う。
「そうだよー!」
私の代わりに沙奈が答える。私の様子がおかしいのを分かってくれたみたい。
「おー、サンキュな沙奈。
麻奈ちゃんは...」
そう言って微妙な顔をする良太くん。ごめんね、今出すから。好きですって、伝えるから。
「あるよ。これ。」
好きって、好きって言うんだ。私。