さくら 咲け
話したいこと
「渡せたけど告白できなかったぁ!!?」
「どうしたの、何があったの、麻奈ちゃん」
「あの人が...来て、怖くなっちゃって...」
バレンタインの次の日は土曜日。いつも通り花穂ちゃんの家に集まって昨日のことを、バレンタインの日のことを話す。
「そこで怯まないのー!」
「うん、...もう私無理だぁ...告白なんて一生出来ないよ...」
「出来るって!」
「大丈夫だよ、麻奈ちゃん
麻奈ちゃんなら、絶対できるよ」
私が項垂れると、元気づけてくれる2人。
本当に、いい友達を持ったなぁ、なんて。
「その先輩、なんだったの?」
花穂ちゃんが聞く。
「すっごく仲良さそうだったし...、家知ってるみたいだった」
思い出すのさえ辛い。
同時に自分の不甲斐なさを思い知らされるから。
「まぁ告白直前に美人と仲良くしてる姿みたら怯むとは思うけど、
...さすがに〝義理〟はないんじゃなーい?」
「うぅ、だよね...」
私が〝義理〟って言った時、良太くんすごい傷ついた顔してた...。