さくら 咲け
「おい、圭介よ」
「なに?良太」
「麻奈ちゃんからバレンタイン貰った?」
「貰ったよ」
「えぇ!?」
麻奈ちゃんの嘘つき!義理渡さないって言ったじゃん!何ちゃっかり彼女持ちに渡してんのさ!
「何驚いてんだよ...
『義理だけどごめんね。良太くんにだけ渡すのは圭介くんに申し訳ないから...』っていう言葉付きだったけど。」
「え?」
「あれ、貰ってない?これから良太にあげるんだってそのとき沙奈言ってたんだけどな」
「貰ったけど...」
「ふぅんよかったね
やっと恋叶ったんだ」
「はぁ!?」
何言ってんだよ。ガッツリ振られてるよ。
「え、告白されなかったの?
僕これ言ってよかったのかな...」
「こ、告白!?」
「うん、告白」
「告白!?
誰が!誰に!!」
「えぇ、これは僕に言わせんなよ
お前が聞きにいけって」
面倒くさそうに圭介が言う。そろそろ俺の質問攻めにうんざりしたみたいだ。
...
自惚れていいかな、麻奈ちゃん。
麻奈ちゃんが俺に告白しようとしたのかって自惚れていいかな。