さくら 咲け
ついた。
沙奈に挑戦しろと言われた場所。
圭介くんに告白して、振られた場所。
良太くんに...告白された場所。
屋上に向かう階段の踊り場。
「どうしたの?」
到着してもなかなか話し出さない良太くんに促す。
これから予定があるとかそういうことは全くないんだけど、できれば早く聞きたかった。
「っ、あのさ麻奈ちゃん」
「な、なんですか?」
妙にかしこまった言い方の良太くんにつられて私も敬語になる。
「俺は、麻奈ちゃんが好きです」
──っ、
「ホワイトデーまで待てなくてごめん。
早く、言いたくて」
「うん」
少し声が震えた。
泣きそう。
「わ、私こそ、ごめんっ、たくさん、傷つけた。本当にごめんっ、
義理って言ったの、嘘だよ。ごめんね、嘘ついて、ごめんね。」
「大丈夫だよ、麻奈ちゃん。
気づけなかった俺も俺だし。
気づくの遅くなっちゃって、ごめんね」
「あの日、言えなくてごめんなさいっ、
私も、好きですっ、良太くんが、好きですっ!」
涙が、流れる。
言葉も多分、嗚咽で聞き取りにくい。
伝わってるかな。