さくら 咲け


「おっまた~~」



やけにテンションが高い顔をした花穂ちゃんが戻ってきた。



「おかえり。花穂ちゃん」



私が答えると



「おかありっ!」



花穂ちゃん、テンション高くない?



「なんかあったの?やけにテンション高いけど」



やっぱり気になるようで、朱里ちゃんが聞いた。



「んー?

あー、やっぱイケメンと話すと、テンション上がるよねっ!」



弾ける笑顔でそう言った花穂ちゃん。



「えっっ!日向くんのこと!?

もしかして、花穂ちゃん、日向くんのこと...!」



林間学校テンション、何でも恋愛に繋げたがる女子の特性が出てしまって、つい声を上げてしまう。



「ちょ、麻奈ちゃんうるさいし。違うし。」



「なんだぁ、違うのかぁ。」



しょぼくれる私と朱里ちゃん。



「うん。だって私、1個上に好きな人いるし。」


──え?


バッと花穂ちゃんの方を向くと、「やってしまった...」という表情をしていた。



「ほほ~う?」



途端にニヤける私。



「ちょ、麻奈ちゃん、変ににやけないでくれる?朱里ちゃんもっ!

って、じりじり近づくのやめてよっ!」




このまま私と朱里ちゃんの質問は自由時間が終わり、男子が戻ってくるまで続いた。



それまでの間に、花穂ちゃんは、年上ということしか教えてくれず、私達は花穂ちゃんの手強さを思い知った。

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