さくら 咲け



「はぁ、はぁ、疲れた...。」



「ちょっと、麻奈ちゃん早くない!?
まだ登り始めて10分くらいしか経ってないよ!?」



逆になんでそんな体力あるのみんな...



ハイキングを始めて早10分。



私はもう疲れた。



普段から運動しない私が、30分も山登りなんて無理だよ~。



「麻奈ちゃん、頑張ろ!

これが終わったらお昼だよ!」



朱里ちゃんが横で励ましてくれるけど、キッツい......



もう足の裏痛くなってきた...



私の運動不足、こんなに深刻とは...。



今度からもうちょっと運動するようにしよう。



「大丈夫?金井さん。

僕が荷物持とうか?」



圭介くんが心配そうに私の顔を除く。




──心配させてはいけない!!



「大丈夫だよ~!!

ちょっと疲れたくらい大丈夫!
いっつも沙奈の買い物手伝ってるからさ!」



「そうなんだ
沙奈さんの買い物は疲れるの?」



あ、呼び方変えた。私と沙奈を分けるために



「うん!そりゃもう!
あの子、洋服買うの好きなんだけどね、あっちのお店行きたい!こっちの店行きたい!っていっつも引きずられるんだよ~

あの子、1回のお出かけに何個もハシゴするの。」



思い出しただけでゾッとするレベルの買い物量。



私は、ついていけない...



だって、私は服なんて着るぶんあればいいじゃないって考え方だから。



「それは結構疲れそう」



そう言って笑う圭介くんの笑顔をみたら、ハイキングの疲れなんて飛んでった。


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