さくら 咲け
...気がしただけ。
結局会話はそれで終わり、また黙々と歩き続ける。
最初元気だった花穂ちゃんと、朱里ちゃんも疲れてきておしゃべりする体力は無いみたい。
やばい。足が前に出てる気がしなくなってきた。
てか、感覚ない。
「あっ、麻奈ちゃん、そこ危な──」
「え?」
そういった瞬間、前に倒れる。
手を前に出すひまもなく、おでこに鈍い痛み...
...が、ない!?
「大丈夫!?」
前に倒れた私を支えたのは、圭介くんだった。
どうやら私、木の根っこにつまづいたみたい。
「だ、大丈夫
圭介くんは?」
「僕は平気。
さっきから、だんだん麻奈さんの顔色悪くなってたの気づいてたから。麻奈さんの顔に傷つかなくてよかった。」
「危ないでしょッ!
確かに、最初10分はさすがに早いって思ったけど、無理なら無理って言ってよ!」
花穂ちゃん...
「ごめんなさい」
「いいけど!怪我無かったからさ!
でも、もうやめてよね。」
キツイ言葉の中にも優しさが含まれてるって伝わってくるよ......!
「これからこんな事があったら、はったおすから。」
優しさ...?