さくら 咲け
「じゃあ、麻奈ちゃん、お昼たーべよ!」
「うん。行こっか。」
「あ、待って待って
俺らとも一緒にたべよーよ。
このままだと俺ら男二人だし。」
沙奈に腕を引かれて私も付いていこうとすると、良太くんがお昼のお誘いをしてくれた。
「そうだね!一緒に食べよ!
どこにしよーか?」
良太くんの提案を聞いて沙奈は、パンと手を打って乗った。
「あっ、あっちの方とかいんじゃね?景色良さそうだし。」
「いーねー!
じゃあ先に席取りだ!
麻奈ちゃん、私達先行って席とってくるね!
二人はゆっくりでいーよー!」
そう言って駆け出す二人。
仲いいなぁ。
私と圭介くんは二人で歩いて向かう。
「あっ、さっきは本当にありがとう。
すごい助かっちゃった。」
妙な沈黙が気まずくて改めてお礼を言う。
「気にしなくていいよ。
ただ、もうやめてね。」
さり気なく強めな口調で言う圭介くん。
「ごめん...」
「反省したならいいけどさ。
あと...」
ふと思い出したように圭介くんは言葉を続ける。
「ん?」
「さっきさ、沙奈さんのこと、可愛いって言ってたけど、麻奈さんも沙奈さんとは違った魅力があると思うよ。
十分、可愛い。」
言われて数秒理解出来なかった。
~~っ、なんで、こんなことあっさり言うの、圭介くん。
やめてよ、照れるじゃん、顔赤くなっちゃうじゃん。
...好きに、なっちゃうじゃん。