さくら 咲け
今日で林間学校は終わり。
今日は体験学習をやって、あとは自由時間。
14時くらいには帰りの電車に乗るとか言っていたような。
「麻奈ちゃん、朝ごはんいくよ~」
朱里ちゃんの声に「はぁい」と気の抜けた声で返してのそのそと玄関に向かう。
「おはよー!」
「おう、おはよ」
朱里ちゃんと中野くんが話してる。
どうやら男子とちょうど会ったみたい。
「よく寝れた~?」
「いろんな話してたからな~あんま寝れてねーや」
「実は私も~」
昨日の夜花穂ちゃんが言っていたとおり、確かにちょっと楽しそうかも、朱里ちゃん。
「おはよ」
横から声をかけてきた圭介くんに「おはよう」と返す。
「体調どう?」
「平気平気!
超元気~!」
「そっか」
私の返事を聞いて安心したようににっこりと笑った圭介くんにドキッとする。
...そういえば、昨日好きって自覚したんだよなぁ...。
ちょっと気まずいかも。
こんなんなら気づかない方が良かったかもしれない。
でも、もう気づいてしまったのならしょうがないね。
知らなかったことにはできないや。