さくら 咲け
「ここだよ!」
沙奈が行った先は、オシャレな雰囲気が漂うお店。
でも、オシャレオーラがありつつも入りやすい雰囲気の店内は、どんなお店だろうと少なからず不安を抱いていた私の心を安心させた。
そのまま店内をゆっくり回っていると、
「ねぇねぇ麻奈ちゃん、どっちがいいと思う?」
沙奈が聞いてきた。
んん、悩むな。両方似合ってるのが余計迷わせる...。
「両方...は、ダメなんだよね?」
「ん~、できれば避けたいなぁ」
「だよね~」
両方とも雰囲気は同じ感じで、膝丈の少しふわりとしたスカート。
色と柄が違っていて、どちらも沙奈に似合うと思う。
「んん~
...だめだ!決められない!」
「えー!
じゃあ、麻奈ちゃんの好きな色は?」
「こっち」
「うん、こっちにしよ」
私が指した方のスカートをとってもう片方のスカートを元あった場所に戻す。
そ、そんな簡単でいいの?
「麻奈ちゃんの好きな色ならいいよ、私」
けろりと答える沙奈。
どんだけ私のこと好きなのよ沙奈...
私も沙奈のこと大好きだけどさ
「会計行ってくるね!ちょっと待ってて!」
「急がなくていいよー」
沙奈と買い物に行くと、いつもこうやって聞かれるけど、本当に沙奈は何でも似合うから決められない。
私は沙奈と違って雰囲気が明るくないから、私がもう片方買って交換しながら、とかは出来ない。
「おまたせ~」
「おかえり
次の行先は?」
「こっち~」