さくら 咲け
「うわっ!」
その時私に見えたのは、思いきり前につんのめった沙奈と、
それを支える圭介くんの姿。
どこから来たの?ってくらい、いつの間にか圭介くんがいた。
「セーフかな?大丈夫?」
片手で軽々と沙奈の体を支えた圭介くんは、沙奈を立たせてそう聞いた。
「ごめんね、ありがとう。大丈夫だよ」
「いえいえ、偶然通りかかっただけだから、気にしないで。」
「沙奈!!!」
私は沙奈の方に近づいてみると、テンションの高さに惑わされて気づかなかったけど、少し体調が悪いようだった。
日焼けしたにしては頬が紅く、目も潤んでいる。
「沙奈、保健室行こう。」
「えっ、いや、大丈夫」
「大丈夫じゃないから!」
「...うん。」
「あぁ、僕が連れていくよ。
麻奈さん、僕の荷物お願いしてもいい?」
圭介くんがそう言って沙奈をおぶる。
「わかった。良太くんに沙奈の荷物お願いしておくね」
「ありがとう麻奈ちゃん...」
「ほら、沙奈、余計なこと喋らないで安静にしてなさい!
帰りのHR終わったら保健室寄るから。」
「うん。」