さくら 咲け
文化祭
暑い夏休みが終わって、文化祭の季節が来た。体育祭とは違って、あんまり動かなくていい行事。
私のクラスは、ちょっとした食べ物屋になった。
表に出たくないから、私はもちろん裏方担当。
クラスのみんなとどうすればより良くなるのかを相談し合うことで、今まであまり話さなかった子とも話すようになった。
「ふぅ、疲れた」
「ね、でも楽しいや」
「そりゃーね。
朱里ちゃんは中野くんとどっか回るの?」
「まだ決めてないや~
花穂ちゃんは?」
「私は大体時間決めたよ。」
「そっか~」
「...彼氏いる人達いいなぁ」
「頑張れ麻奈ちゃん!」
「いつかできるよ」
こんなふうに会話のネタに出来るくらい圭介くんのことは諦めきれた...って程じゃないけど、大丈夫になった。
「そう言えばさ、沙奈ちゃんと佐藤くんって付き合い始めてるの?」
「いや、まだみたい。でも、そろそろじゃないかと思ってる」
「そっか~」
そう、二人はまだ付き合ってない。
普通に付き合い始めてもいいくらい仲良くなってるはずだし。
なんでだろ。