さくら 咲け
「おかしいなぁ、泣くつもりなんて、っ、無かったのに。」
無理矢理でも元気を出そうと前を向く。
すると、いきなり目の前が真っ暗になった。
目のあたりに何かかたいものが当たってる。
すぐにそれは骨だってわかった。肩の骨。
良太くんが、自分の方に私の顔を押し付けてた。
「~っ、だから、泣いていいんだってば!
ほら、俺見てないから!泣いていいんだよ!
思いっきり言っていいんだよ!本当の気持ち!俺にしか聞こえないから!!」
良太くんに怒鳴られたら、涙が溢れてきた。
「好きだよっ...好きだったよ...っ、圭介くんのことっ...
沙奈のこと、見てるから...っ、沙奈のこと見てたからっ、気付くじゃん!そういうの、気付いちゃうじゃん!
...わからないわけ、ないじゃん......」
自分でも何言ってるかわからないくらいに、言ってしまう。どんどん口から言葉が出てくる。
良太くんは、それを黙って聞いていて。
私の言葉が落ち着いてきたところで、私の頭をポンポンと叩いて、撫でた。
ゆっくりと、優しく。私の心を落ち着かせるみたいに。