僕らの空
「須田さん…」
「お前、何で野球やめたんだよ!?あの大会の後で約束したじゃねーか!」
胸倉を捕まれて壁に背中を強くぶつけた。
笙ちゃんが須田さんを止めようとしたが、須田さんは俺から手を離さなかった。
「…バッテリーは組めなくても、同じ高校でまた一緒に野球しようって約束したじゃねーか!…!?」
バキ!!
「蒼汰っ!?」
笙ちゃんが驚いた顔で俺の方を見ている。
「俺はもぉ忘れましたよ、そんな約束…」
俺の拳が当たった頬を左手で抑えながら、須田さんはゆっくりと立ち上がった。
真っ直ぐに俺を見つめる須田さんの目は、とても冷たくて、俺が先に目をそらした。