僕らの空
部活壮行会
「健斗さ〜ん、なんで俺らは壮行会に出してもらえないんすか?」
先輩たちがぶつぶつ文句を言ってる。
「なぁ、蒼汰、」
そんな中小さな声で陸が話しかけてきた。
「何?」
「ホントに何でなの?」
俺が聞いた話しだとこう言うことだった。
顧問をしていた宮崎先生が産休に入ってしまったため、大会に登録するのを代理の神谷先生に頼んだらしい。
でも神谷先生の方は登録だけ済ませてから産休に入ったのだと勘違いをしていたのだ。
「へぇ…でもせっかくだし大会出たかったな。」
一通り説明すると陸はがっかりした様子で下を向いた。
最後に壇上に上がったのは野球部だった。
この学校の野球部はたいして強くないはずなのに、野球部というだけでデカイ顔をして歩いてる奴がいっぱいいる。
教師も教師だ。
陸上部の全国大会に応援に行かないくせに、野球部の地区大会には全員と言ってもいいくらいの人数で応援に行く。