僕らの空
「ちょっと待てよっ!」
速足で体育館へ向かう圭介の腕を掴んだ。
「…お前、いきなりどーしたんだよ?」
俺の顔を見て、圭介は大きなため息をついた。
「なぁ、蒼。俺馬鹿だよな?」
「はぁ?」
「俺達親友だよな?」
そんなことか。
「ばーか!当たり前だろ?」
不安だったのは俺だけじゃなかったんだ。
誰にでも人懐っこい圭介だって、本当は不安でいっぱいなんだ。
「やっぱ俺達似てるな!」
「俺と蒼が?似てねーよ!俺の方が百倍格好いいだろ!」
さっき先輩たちの前ではあんなこと言ってたくせに…
「はいはい。そうですね〜。」
いつもの圭介だ!
「俺、珍しくあせってた。お前とクラス違くて、それとお前には優しそうな先輩たちもいて…俺も大丈夫かな?って、不安だったんだよな。笑」
圭介は恥ずかしげに笑って、また歩き始めた。
圭介の背中は
痛いほど眩しかった。