愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~

それぞれの新しいパートナー *奏多SIDE*

東堂さんとの会談は、およそ三十分ほどかかった。
彼に任せている電機事業は最近調子が良く、グループ全体の中でも売り上げ上位に食い込みつつある。

そのせいか最近、彼の不遜な態度が目に付くようになった。

「東堂の動きを把握しておいて」

部屋に向かって歩きながら、伊吹に言う。

「わかっております」

俺が言う前に、すべてを把握している有能な秘書は、俺の心の中までをも見透かす。
幼少期に仲良くするよう指導した、今は亡き父の考えていたことがわかる。

「瑠衣は?」

「お部屋におられるはずです」

部屋に残してきた瑠衣が気になる。
足早にエレベーターに乗り込んだ。

鍵を開けて部屋へと足を踏み入れる。

「瑠衣?悪い、遅くなっ……」

ソファに座る女性を見て言葉が止まる。

「君は……」

先ほどまで話し込んでいた、東堂の娘がそこにいた。



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