愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~

涼しげな目元を縁取る長い睫毛。きりりとまっすぐな眉。
細く伸びた鼻筋に、笑みを湛えたような唇。
サラッと流した髪をかき上げる、長い指。

美麗な絵画からそのまま出てきたような、美しい男性。

「……月島……CEO……」

思わず口にすると、彼はにっこりと魅惑的な笑みを浮かべた。

「俺の顔を覚えていてくれてるんだ。君は優秀な社員だね」

「嘘……」

驚きで、両手を口に当てる。
目を見開く私の目の前で、彼はゆっくりと立ち上がった。

「よっと……。君は?本当に大丈夫だった?」

「は……はい」

私を見下ろすその顔が、私のはるか上にある。
そんな彼を見上げ、呆然とする。

「奏多さま。どちらですか」

そのときかすかに聞こえた声に、にこやかだった彼がビクッとなった。




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