愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
「本当にそれだけだと思うか?この気持ちが嘘ならば、長澤に寄り添う瑠衣を、奪い返したいと思って苦しむか?」

彼が私を見つめる。
黒く深い色の瞳に、彼の本心が見えた気がした。

「まさか?……私を?いいえ、違うわね。何度も騙されそうになってしまう。これは、恋のレッスンだった」

私は彼から離れようと身体を起こした。
だがグイッと引き戻され、彼の熱い唇が私の唇を塞ぐ。

「待っ……んっ!」

絡まるようなキスに、目まいが起きそうになる。
激しく追い込むように、彼の舌が私の口の中をまさぐる。
溶け合って、なにも考えられなくなってくる。

震える手を彼の首に回し、私は彼にしがみついた。

どうかこのまま、終わらないのだと言って。
あなたの瞳には、私しか映らないのだと。
二度とあなたを失う苦しみを、私に与えはしないと。

その唇が、私の首すじに移り、私は目を閉じて吐息を漏らした。

「あ……っ」

「どう言えば……君に伝わる?瑠衣。……都合がいいと、まだ疑うか……?」

「奏……多」

そのままソファに押し倒され、彼が私を真上から見下ろした。



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