愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
「奏多さんこそ、聖羅さんとはどうなったの?綺麗な人だったけど」

正直、奏多さんの周りにいる令嬢の皆さんのレベルが高すぎて、彼がなぜ私を選んだのかが疑問だった。
私には会社にもたらすメリットがないし、容姿だって普通なのに。

「なに。妬いてるの?前に言ったと思うけど、綺麗なだけの女に興味はないんだよ」

その言い方が引っかかる。

「私は綺麗じゃなくて悪かったわね。なんとかは三日で飽きると言うものね」

私は彼からサッと離れて、反対を向いた。

「瑠衣。そうじゃないよ」

私の様子を見て、彼が心配そうな声を出す。

「瑠衣は、無条件に惹かれた女だ。かわいいと思うし、愛しいと思う。俺は……ただ、君が好きなだけ。どうしようもなく」

私は彼のほうを向いた。
髪をクシャッと掻いて、彼はドサッと仰向けになる。

「自分でも、なんて言ったらいいかわからない。君といると、初めて俺らしくいられた。条件や容姿の次元じゃない。理屈じゃないんだ」


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