愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
鏡の前で、身体に当ててみる。

「着こなせるかな……」

一瞬、不安になるが、奏多さんが選んでくれたものに間違いはないと思い直し、バスローブを脱いで着てみる。

サイズはぴったりだ。
私の身体に合わせて、オーダーしたものだろうか。いつの間に……。

次々に不思議な気持ちになる。
彼が私を驚かせ、喜ばせるために手を尽くしてくれることが嬉しい。

箱に一緒に入っていた靴を履き、化粧を丹念に施す。
洗ったばかりの髪を結い上げて、再び鏡の中の自分を見つめた。

テラスでなにがあるのだろう。
期待と不安が、交互に押し寄せてくる。

奏多さんにもらった婚約指輪をバッグから取り出して、薬指にはめた。

指輪にそっとキスをして、鏡の中の自分に頷いた。

意を決して部屋を出る。

きっとこの先には、信じ難いほどの幸せがある。
そんな予感に、胸が震えた。

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