愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
奏多さんの急な告白に、辺りがざわつく。
私も信じられない気持ちで彼を見上げた。

『ですが、様々な葛藤を乗り越え、私たちは愛し合っているのだと気づけたのです。この幸せにたどり着けたのは、皆さまが、これまで瑠衣を励まし、助け、彼女に力を貸してくださったお陰だと思います』

ざわついていた人たちが、静まり返る。

『彼女の素直な気持ちが私にも伝わり、私も彼女のように素直になることができました。瑠衣に愛していると言えました。感謝しています』

奏多さんの言葉に、両親はハンカチで目を拭う。
盛大な拍手が沸き起こった。

『今日はどうか、ごゆっくりとおくつろぎください。お部屋のご用意もしていますので、休まれる方はどうぞ、こちらにおります秘書の月島にお申し付けください』

奏多さんとふたり、深く頭を下げる。
彼が催してくれたこの会は、私がなによりも嬉しいことだった。
彼は私が抱えていた不安を、一気に拭い去ってくれたのだ。



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