愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
それからは、集まってくれた知人と楽しく話し、泣いたり笑ったりしながら、幸せなひとときを過ごした。

奏多さんを好きになった自分を、誇りに思った。

「奏多さん。もうひとつ、気になることがあるの」

「ん?」

ふたりでワイングラスを片手に、テラスの手すりに寄りかかって話す。
招待客は皆、お祭り騒ぎでカラオケ大会に突入していた。
龍さんと伊吹さんが、ふたりで一緒に流行りの歌を歌っているのを、奏多さんは笑いながら見ていた。

「結局、好きになったら負けるゲームはどうなったの?」

私の問いに、彼は私を見た。

「さあね。どちらにしろ、今となってはゲームオーバーだ。好きにならずにはいられないのだから」

見つめ合っていると触れずにはいられないほどに、私たちには愛が溢れている。

そのままそっと唇を重ねると、その瞬間に私たちの後ろで大きな花火が打ち上がった。

「あ、忘れていた。花火も手配させたんだったな」

奏多さんが花火のほうに顔を向ける。
私は奏多さんの頬に手を添えて、再び彼の顔を私のほうに向けた。

「ルール変更。よそ見しないで、私を見て。いつも、いつでも」

そんな私に、彼はクスッと笑う。

「花火にも妬くのか?」
「もちろん」
「我が儘な花嫁だ。教育のしがいがある」

再び甘いキスを交わす。
招待客は皆、花火を見て歓声を上げている。

青空と夕陽、そして花火。
この島であなたがくれたものは皆、私の宝物となった。
あなたと見るもの、感じること。
すべてはもう、偽りではない。

「奏多さん……愛してる」
「もう嘘はこりごりだ。俺も愛してるよ」

私たちの間にはもう、紛れもない真実しかない。
あなたとゆっくり、未来を歩いていこう。

その道は終わることなく、
どこまでも続いているから__





***fin***




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