愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
私も真剣に彼を見つめ返す。
「はい。私の結婚話を、消してください。CEOのお見合いもなくなるように、精いっぱい頑張ります。誰にも言いません」
これは、私に与えられた最後のチャンスだ。
流れは滅茶苦茶だけど、偶然出会ったCEOと嘘の関係で周囲を欺けるのなら。
『お前は大人しく、俺様の嫁になっておけばいいんだよ。どうせこの先、お前に彼氏なんてできないんだからさ』
海斗の言葉と、意地悪な笑顔を思いだす。
「私だって……恋くらいできるわ」
小さな声でつぶやく。
「いいだろう。君をこれから、恋人として扱う。じゃあ早速、行こうか」
私の手を掴み歩きだそうとする彼に、戸惑いながら言う。
「私、本当にそろそろ部署に戻りたいんですけど」
さすがに山内さんが変に思っている頃だ。彼に心配はかけたくない。
「ああ、そうだったね。いいよ、伝えよう。とりあえずは身辺整理からだな」
彼はスーツのポケットからスマホを取り出すと、私の手を掴んだまま電話をかけた。
「あ、俺だけど。……わかってる。今戻るよ。それと、営業課の有森さん。今日から月島ホールディングスの本社勤務になるから。営業課に言っておいてくれ」
ええっ!
驚いて彼の顔を見る。
「本社の受付に欠員があったよね。彼女には、そこに行ってもらう。……ああ。わかったよ」
スマホを切ると涼しい顔でそれをポケットにしまう彼が、私の視線に気づく。
「あれ。覚悟があるんだよね。どうしてそんなに驚いてるの。君がこれから、俺のそばで俺に監視されるのは、当然だよね。今日のところはひとりでなんとか切り抜けるよ。君は部署に戻ってくれ。これから出るから、すぐに荷物整理を頼むよ」
「か……監視って。あまりにも急で……」
言いたいことはたくさんあるけど、言葉にならない。唇がカタカタと震える。
「今から君は、俺の愛する婚約者。とりあえず今の段階でのルールは簡単。嘘だと知られてはいけないこと。しっかりと愛し合おうね?」
驚愕する私に、彼はニヤリと魅惑的な笑みをみせた。
「はい。私の結婚話を、消してください。CEOのお見合いもなくなるように、精いっぱい頑張ります。誰にも言いません」
これは、私に与えられた最後のチャンスだ。
流れは滅茶苦茶だけど、偶然出会ったCEOと嘘の関係で周囲を欺けるのなら。
『お前は大人しく、俺様の嫁になっておけばいいんだよ。どうせこの先、お前に彼氏なんてできないんだからさ』
海斗の言葉と、意地悪な笑顔を思いだす。
「私だって……恋くらいできるわ」
小さな声でつぶやく。
「いいだろう。君をこれから、恋人として扱う。じゃあ早速、行こうか」
私の手を掴み歩きだそうとする彼に、戸惑いながら言う。
「私、本当にそろそろ部署に戻りたいんですけど」
さすがに山内さんが変に思っている頃だ。彼に心配はかけたくない。
「ああ、そうだったね。いいよ、伝えよう。とりあえずは身辺整理からだな」
彼はスーツのポケットからスマホを取り出すと、私の手を掴んだまま電話をかけた。
「あ、俺だけど。……わかってる。今戻るよ。それと、営業課の有森さん。今日から月島ホールディングスの本社勤務になるから。営業課に言っておいてくれ」
ええっ!
驚いて彼の顔を見る。
「本社の受付に欠員があったよね。彼女には、そこに行ってもらう。……ああ。わかったよ」
スマホを切ると涼しい顔でそれをポケットにしまう彼が、私の視線に気づく。
「あれ。覚悟があるんだよね。どうしてそんなに驚いてるの。君がこれから、俺のそばで俺に監視されるのは、当然だよね。今日のところはひとりでなんとか切り抜けるよ。君は部署に戻ってくれ。これから出るから、すぐに荷物整理を頼むよ」
「か……監視って。あまりにも急で……」
言いたいことはたくさんあるけど、言葉にならない。唇がカタカタと震える。
「今から君は、俺の愛する婚約者。とりあえず今の段階でのルールは簡単。嘘だと知られてはいけないこと。しっかりと愛し合おうね?」
驚愕する私に、彼はニヤリと魅惑的な笑みをみせた。