愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
中央の男性が彼をキッと睨む。
CEOに対しての態度にしては強気だ。
だけど『奏多さま』と呼んでいるから、部下なのかな。
その彼の周りに立つ四人の男性たちは、黙って様子を見ている。
「だいたい、なんでそんなに大勢で来るんだよ。なにもないのに。いつも大げさなんだよ」
ブツブツ言いながら、彼はエレベーターを降りた。
とりあえず私も、そのあとを付いていく。
その私たちのあとに続き、彼らがぞろぞろと並んで歩きだした。
チラッと振り返り、なにかの行列みたいだと思う。通りかかった社員が、足を止めて異様な空気で歩く私たちを見ている。
「SPを付けないならば、外出は許可できません」
彼が言った言葉に、私はドキッとする。
そうだった。彼は今をときめく注目の人。月島ホールディングスの最高経営責任者だ。
本来ならば、その姿を見ることすら、叶わないような人。
SPがいても、不思議なことではない。本物を見たのは初めてだけど。
そのとき、彼が急に足を止め、あとに続いていた私たちも全員止まった。
「えっ?なに?……きゃっ」
振り返って私の肩をグイッと抱くと、彼は言った。
「彼女は有森瑠衣。俺たち、結婚するから。今後、見合いは全部断れよ」
CEOに対しての態度にしては強気だ。
だけど『奏多さま』と呼んでいるから、部下なのかな。
その彼の周りに立つ四人の男性たちは、黙って様子を見ている。
「だいたい、なんでそんなに大勢で来るんだよ。なにもないのに。いつも大げさなんだよ」
ブツブツ言いながら、彼はエレベーターを降りた。
とりあえず私も、そのあとを付いていく。
その私たちのあとに続き、彼らがぞろぞろと並んで歩きだした。
チラッと振り返り、なにかの行列みたいだと思う。通りかかった社員が、足を止めて異様な空気で歩く私たちを見ている。
「SPを付けないならば、外出は許可できません」
彼が言った言葉に、私はドキッとする。
そうだった。彼は今をときめく注目の人。月島ホールディングスの最高経営責任者だ。
本来ならば、その姿を見ることすら、叶わないような人。
SPがいても、不思議なことではない。本物を見たのは初めてだけど。
そのとき、彼が急に足を止め、あとに続いていた私たちも全員止まった。
「えっ?なに?……きゃっ」
振り返って私の肩をグイッと抱くと、彼は言った。
「彼女は有森瑠衣。俺たち、結婚するから。今後、見合いは全部断れよ」