愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
「そんなことは言ってないよ。君はなにを着ても似合うと思う。俺は君には最高に綺麗でいてほしいだけだ。ね?奥さん」
「さっきと言っていることが違うことに気づいてる?旦那さま」
「あはは。そう呼ばれると、なんだか照れるな」
楽しくて時間を忘れそうだ。
軽快なテンポで会話が弾んでいく。
そんな中、一着のドレスを手にし、彼女はフィッティングルームに入った。
「ドキドキする〜。ドレスなんて初めてー」
「初めてで当然だよ。着たことがあったら困る」
カーテン越しに冗談を言う。
俺たちは大丈夫だ。
最後まで上手くやれる。確信に満ちた気持ちでいっぱいになる。
「大丈夫?係の者を呼ぼうか?」
しばらく待っていたが、初めてのドレスに苦戦しているのか、彼女はなかなか出てはこない。
「うーん。……ファスナーが……」
「開けてもいい?手伝うよ」
カーテンを開けると、顕になった彼女の背中が目に入る。
ゆっくりと近づき、彼女の真後ろから正面の鏡を見た。
そこに映し出されている、純白のドレスに包まれたその姿は美しく、細く絞れたウエストが彼女のスタイルのよさを強調していた。