愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
「すみません。ちょっといいですか」
そのとき、来客に声をかけられ、沙也加と一緒に立ち上がる。
「はい。いらっしゃいませ」
両手をお腹の前で軽く握り、深く頭を下げる。
変わったのは部署と、化粧の仕方だけ。学んだことは新しい仕事の内容と、美しい姿勢やお辞儀の仕方。
新しい私の日常に、奏多さんの存在が入ってくることはなかった。
「だいぶ板についてきたじゃない。ここは会社の顔だからね。綺麗できちんとした子しか置けないんだよ。やっぱり瑠衣は適任だったね。様になってる」
聞き覚えのある声に、ゆっくりと顔を上げる。
「元気そうだね。俺に会えなくて、少しは寂しがってると思っていたのに。通りかかったら楽しそうに話してるから、思わず様子を伺いに来ちゃったよ」
そこにあったのは、あの日と変わらない笑顔。
驚いて声も出ない私と、隣で唖然としている沙也加の目の前で、奏多さんはニコニコとした顔で言った。
「どうして今まで知らん顔してたの。電話くらいしてきてもいいのに、俺を放置するなんてひどいよ。俺からかけようかとも思ったけど、意地を張って俺も連絡しなかった。結局、とうとう自分から声をかけちゃったよ」
そのとき、来客に声をかけられ、沙也加と一緒に立ち上がる。
「はい。いらっしゃいませ」
両手をお腹の前で軽く握り、深く頭を下げる。
変わったのは部署と、化粧の仕方だけ。学んだことは新しい仕事の内容と、美しい姿勢やお辞儀の仕方。
新しい私の日常に、奏多さんの存在が入ってくることはなかった。
「だいぶ板についてきたじゃない。ここは会社の顔だからね。綺麗できちんとした子しか置けないんだよ。やっぱり瑠衣は適任だったね。様になってる」
聞き覚えのある声に、ゆっくりと顔を上げる。
「元気そうだね。俺に会えなくて、少しは寂しがってると思っていたのに。通りかかったら楽しそうに話してるから、思わず様子を伺いに来ちゃったよ」
そこにあったのは、あの日と変わらない笑顔。
驚いて声も出ない私と、隣で唖然としている沙也加の目の前で、奏多さんはニコニコとした顔で言った。
「どうして今まで知らん顔してたの。電話くらいしてきてもいいのに、俺を放置するなんてひどいよ。俺からかけようかとも思ったけど、意地を張って俺も連絡しなかった。結局、とうとう自分から声をかけちゃったよ」