愛され婚~契約妻ですが、御曹司に甘やかされてます~
成り行きの婚約者VS偽りの婚約者
たくさんの人が、会場に優しく響き渡る音楽に合わせて、華麗にステップを踏み始める中、私たち四人は互いの顔を見たまま、張りつめた空気をまとい黙りこんでいた。
「月島社長」
私と奏多さんの隣で、龍さんを呼ぶ男性の声がした。
「接待のお時間が迫っております。そろそろ退出いたしませんと」
秘書だろうか。
申しわけなさそうに告げている。
「ええ?今からが面白いのに」
「ですが……」
「わかってるよ。仕事だから仕方ないね」
ふたりの会話を聞きながらも、そちらを見ることはできない。
私は海斗から、目を逸らせないでいた。
「じゃあ、瑠衣さん。またね。今日のことは後日まとめて聞くよ」
私の肩に手を置いて、龍さんが言う。
私は海斗を見たままの状態で頷いた。失礼だとは思うが、それが精一杯だった。
「龍。アクティブトラベルの商談なら、決裁は下りてるから」
「ああ、任せて。その代わり、この状況がこれからどうなるのか、ちゃんとあとで教えろよ」
「ああ。商談のほう、期待してるよ」
奏多さんと龍さんは、今起きていることに動じてはいないかのように、軽く会話をする。そのあと龍さんは去っていった。
「月島社長」
私と奏多さんの隣で、龍さんを呼ぶ男性の声がした。
「接待のお時間が迫っております。そろそろ退出いたしませんと」
秘書だろうか。
申しわけなさそうに告げている。
「ええ?今からが面白いのに」
「ですが……」
「わかってるよ。仕事だから仕方ないね」
ふたりの会話を聞きながらも、そちらを見ることはできない。
私は海斗から、目を逸らせないでいた。
「じゃあ、瑠衣さん。またね。今日のことは後日まとめて聞くよ」
私の肩に手を置いて、龍さんが言う。
私は海斗を見たままの状態で頷いた。失礼だとは思うが、それが精一杯だった。
「龍。アクティブトラベルの商談なら、決裁は下りてるから」
「ああ、任せて。その代わり、この状況がこれからどうなるのか、ちゃんとあとで教えろよ」
「ああ。商談のほう、期待してるよ」
奏多さんと龍さんは、今起きていることに動じてはいないかのように、軽く会話をする。そのあと龍さんは去っていった。