片想いレンズ
高校生になった日、
珍しく
まだ桜が咲いていて、私は写真を撮るのに夢中になってた
風に揺れるたんび、桜が笑ってるみたいで、
怪訝そうに、新しい制服を着た同級生が通り過ぎて行く中で、
ずっとシャッターのボタンを押した
「…コクだぞ
どれくらい時間が経ってったんだろう、何かが聞こえて
「遅刻だぞ」
土手のうえで、君が小さく笑ってた
「…君もでしょ」
そう言って笑ったら、
「そりゃ、そうだ」
って言いながら、君が上から降りてきた
そしてコケた。ぬかるんだ土に足をとられて
君が勢い良く顔を振ったら、泥が私の顔にも飛んだ
「前をみなよ」
「…ごめん、
そう言って君は、制服のそでで私の顔についた泥をぬぐった
「もう、いいよ」
泥の付いた、腕を戻し君が
…アンタの撮ってる写真がみえたから」
そう言った
'すごく、きれいだったから'
そう言ってくれた
それだけで、私はもう多分、
君に恋をしてた。
珍しく
まだ桜が咲いていて、私は写真を撮るのに夢中になってた
風に揺れるたんび、桜が笑ってるみたいで、
怪訝そうに、新しい制服を着た同級生が通り過ぎて行く中で、
ずっとシャッターのボタンを押した
「…コクだぞ
どれくらい時間が経ってったんだろう、何かが聞こえて
「遅刻だぞ」
土手のうえで、君が小さく笑ってた
「…君もでしょ」
そう言って笑ったら、
「そりゃ、そうだ」
って言いながら、君が上から降りてきた
そしてコケた。ぬかるんだ土に足をとられて
君が勢い良く顔を振ったら、泥が私の顔にも飛んだ
「前をみなよ」
「…ごめん、
そう言って君は、制服のそでで私の顔についた泥をぬぐった
「もう、いいよ」
泥の付いた、腕を戻し君が
…アンタの撮ってる写真がみえたから」
そう言った
'すごく、きれいだったから'
そう言ってくれた
それだけで、私はもう多分、
君に恋をしてた。