片想いレンズ
保健室の扉を開く





その扉の奥にいる人が笑うのが分かった





「どうしたの?…萌歌がここにくるなんて珍しいね」




って








私のお姉ちゃんで、君の好きな人。



   




カメラを持つ手に力が入った。


     

手紙をくしゃくしゃにしてしまわないように、慌てて机に置いた。







「これ、あげる」




乱暴に置いたつもりはなかったのに、机が小さくなった




'なに、コレ'

そう尋ねながら、お姉ちゃんが手紙を手に取る










「サクから、お姉ちゃんに」









お姉ちゃんが不思議そうに、目を細めた


「サクって?…あぁ、あの子か
     腕に桜のはなが咲いてる子」  




     

君の火傷のあとをお姉ちゃんは、桜のはなって言う




   









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