片想いレンズ
部屋に入ると、後輩くんがちょうど資料をしまい終えるところだった。



「ごめん、全部任せきりになってしまって…」



「あの人ですか?」

私に背中を向けたままの後輩くんが言った。 


「先輩の好きな人って」




くるりとこちらを向いた目と、目が合う。
綺麗に澄んだ目が問いかける





あぁ、嘘、   つけないな



「そうだよ」



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