フラれるならこの日がいい。
Character2 桐下怜
【夏菜side】 はけ口①
【夏菜side】
学校祭も終了し、7月模試と呼ばれる学力テストも乗り切り、あとは夏休みを待つだけ。
一般生徒が消化試合をこなしている間、執行部は次の行事にむけて動き出していた。
それでも、学校祭を経験した後では比較的穏やかな日々で、私は私の目的を達成することに集中できていた。
実希の周りにいる男子は、意外と少なかった。
皆噂を知っているためか、自ら深い仲になる人はいないらしい。
しかし、高校に入ってくるのは市内の中学校出身者ばかりではない。
その噂を知らない人も少なからずいるのも事実。
ほどほどに大人になった男子同級生達は、口を閉じることを覚えたらしい。
市外から来ているクラスメイトの男子に「本野実希って知ってる?」と聞いても、「違うクラスでしょ? 知らないにきまってるじゃん」と、当たり前といえば当たり前の答えが返ってきた。
ということは、実希の周りにいる希少な男子は、よほどの物好きか、実希を人間的にあるいは恋愛的に好きな人のみというわけだ。
(もちろん、普通に生活していて会話するのは除いて)
その中で、私が目をつけたのは、実希と同じクラスの男子。
名前は『桐下』。
廊下ですれ違ったときに確認した。
一応、隼人に確認したら、実希と同じ小中学校には通っていない。おそらく高校で知り合ったのだろう。
実希に近づく女子は、男子以上に少ない。
実希の近くにいるというだけで、私からすればとても目立つ存在だった。
桐下君は雰囲気だけは、クラスのわいわい系男子だ。
実希への話しかけ方も見た目も、クラスの中心にいて仕切っていくようなタイプに感じる。
しかし、実希のクラスの前を通るとき、私は必ず桐下君を確認していたが、1度もはしゃいだりしている様子を見たことはなかった。
ただ、実希と話しているところは何度か見かけた。
純粋に実希のことが好きなのか?
それともおとなしめの男子を、実希が狙っているのか?
疑問は解消しないまま、私は、消化試合中の生徒に混じって息を潜め過ごしていた。
進展がなくとも、夏休みは迫ってくる。
焦りを覚え始めてきたある日、予想だにしないチャンスが巡ってきた。
学校祭も終了し、7月模試と呼ばれる学力テストも乗り切り、あとは夏休みを待つだけ。
一般生徒が消化試合をこなしている間、執行部は次の行事にむけて動き出していた。
それでも、学校祭を経験した後では比較的穏やかな日々で、私は私の目的を達成することに集中できていた。
実希の周りにいる男子は、意外と少なかった。
皆噂を知っているためか、自ら深い仲になる人はいないらしい。
しかし、高校に入ってくるのは市内の中学校出身者ばかりではない。
その噂を知らない人も少なからずいるのも事実。
ほどほどに大人になった男子同級生達は、口を閉じることを覚えたらしい。
市外から来ているクラスメイトの男子に「本野実希って知ってる?」と聞いても、「違うクラスでしょ? 知らないにきまってるじゃん」と、当たり前といえば当たり前の答えが返ってきた。
ということは、実希の周りにいる希少な男子は、よほどの物好きか、実希を人間的にあるいは恋愛的に好きな人のみというわけだ。
(もちろん、普通に生活していて会話するのは除いて)
その中で、私が目をつけたのは、実希と同じクラスの男子。
名前は『桐下』。
廊下ですれ違ったときに確認した。
一応、隼人に確認したら、実希と同じ小中学校には通っていない。おそらく高校で知り合ったのだろう。
実希に近づく女子は、男子以上に少ない。
実希の近くにいるというだけで、私からすればとても目立つ存在だった。
桐下君は雰囲気だけは、クラスのわいわい系男子だ。
実希への話しかけ方も見た目も、クラスの中心にいて仕切っていくようなタイプに感じる。
しかし、実希のクラスの前を通るとき、私は必ず桐下君を確認していたが、1度もはしゃいだりしている様子を見たことはなかった。
ただ、実希と話しているところは何度か見かけた。
純粋に実希のことが好きなのか?
それともおとなしめの男子を、実希が狙っているのか?
疑問は解消しないまま、私は、消化試合中の生徒に混じって息を潜め過ごしていた。
進展がなくとも、夏休みは迫ってくる。
焦りを覚え始めてきたある日、予想だにしないチャンスが巡ってきた。