きらい、大きらい
「あーもう!この話終わり!俺向こうの本棚整理するから!」
青木先輩は恥ずかしそうに言うと、逃げるように図書室の奥へと向かって行った。
……笑うだけで嬉しい、か。
自分で聞いておいてなんだけど、聞かなければよかったとさえ思う。
他人ののろけ話なんて、聞いても意味なんてない。
そういうことを平気で言えてしまう彼に、いっそう苦手を感じるだけだった。
笑うだけで嬉しいとか、独り占めしたいとか、幸せとか、意味がわからない。
相手の幸せが自分の悲しみだったとしても、それでもそう思えるのかな。
いや、思えるわけない。なんて、ひねくれた考えばかりをしてしまう。