メニュー
苦手な彼が親友の恋人。ああ。きらいなのに。 5000文字という短いお話のなかに、関係性と気持ち、学校での出来事がきちんと盛り込まれ読んでいて楽しかったです。 きらいきらい。友達の彼だし、別に好きじゃない苦手。そう思って言うことで不安定な自分を保とうとしている。自分の気持ちに気付いていて、そして友達を守りたい。だから、「このままずっと、きらいなままでいい。」その言葉に彼女の泣きそうな横顔が浮かびました。片想い、切ないなぁ。
読み進める毎に、嫌いを連呼して心のバランスを取る彼女の様子がよく伝わってきます。せめてもの救いは、付け入る隙が無い程の二人の仲むずましさ。そんな彼女につい共感して、あと十年経ったらきっと笑い話になるよ……なんて心の中で慰めてみたり。短いながらも、とてもいい作品でした。