福があるにも程がある! 〜残りものは、噂のイケメン御曹司でした〜
「いや、ダメというか、次元が違いすぎるというか何というか……って、それより。優佳は昨日どうだったの? 結婚式の最後の打ち合わせだったんでしょ?」
早く話題を変えなければ口を滑らせてしまいそうだと思い、はっと思い出したことを口にする。すると、彼女は顔を綻ばせると「うん、何とか準備は整ったかな」と言い頬を赤らめた。
「ついに二週間切ったんだね」
「うん。全然、実感湧かないけど」
数ヶ月前に籍を入れ、来週末には優佳の結婚式が挙げられる。もちろん、私もそれに招待されているのだけれど、嬉しいような、少し寂しいような複雑な気持ちだ。
「そっか。楽しみにしてるね」
だけど、平日はもちろん、時々土日も一緒にランチをするくらいに仲の良い職場の先輩兼友人の結婚式。
ただ単純に、そんな友人の晴れ舞台を見られるのは嬉しいし、とても幸せなことだと心底思う。
当日のドレスの準備も、美容室の予約も二ヶ月前にはバッチリ済ませてあるくらい、私も楽しみだ。
「あ、そうだ。結婚式、麻美は特に楽しみにしててね!」
「え? どうして?」
「まだ秘密。だけど、きっとすごく驚くと思うな」
にやにやと笑いながら何かを企んでいるような様子の彼女。私は何だろうと首を傾げながら、彼女が企んでいることを想像していた。すると。