福があるにも程がある! 〜残りものは、噂のイケメン御曹司でした〜
「麻美は、どうして結婚したいの?」
「それは……単純に年齢的に焦ってるのもあるけど、自分の人生を捧げたいと思える人がいて、同じように思ってくれる相手と家庭を築いていくのが素敵だと思うから、かな」
「そうでしょ? それなら、尚更恋愛は必要不可欠!単に条件の良い結婚したいだけならそれでもいいけど、自分の人生を捧げたい人って、条件が良ければ誰でも良いわけないんだから。ちゃんと、ありのままの自分で相手を見つめないと。ちゃんと良い人見つけて、そこから結婚する云々は考えた方がいい」
結婚にとらわれ過ぎだよ、と言った優佳の言葉が、妙に重くのしかかった。
「なんか、少し目覚めたかも」
「そう? それなら良かった」
この年齢になってしまって、しかも、自分に何か特別自信のあるものもない。全てにおいて今時分は崖っぷちだと思っている私は、ただ結婚を焦っていただけで、結婚するに当たって一番理想としていた根本的な部分が欠けていた。
私は、単に結婚がしたいわけじゃない。
この人となら、と思える人が現れて初めて結婚したいんだ。それなら、優佳の言う通り、好きな人を作ることから始めないと。
「だけど、好きな人って、どんな人のことを言えばいいかな」
「そんなの、私にも分からない」
「え? でも、旦那さんのこと好きなんでしょ?」