肖像画とノイズ(短編集)
二宮金次郎像
【二宮金次郎像】
日暮れの校庭を走っていると、どこからか「姿勢が悪い!」という声が聞こえた。見ると二宮金次郎像が、呆れた顔で立っていた。
「走るときは顎を引いて、こうだ!」金次郎像が走り出す。
わたしはあまりの恐怖で逃げ出した。きっと今タイムを計ったら、自己ベストを更新しただろう。
日暮れの校庭を走っていると、どこからか「姿勢が悪い!」という声が聞こえた。見ると二宮金次郎像が、呆れた顔で立っていた。
「走るときは顎を引いて、こうだ!」金次郎像が走り出す。
わたしはあまりの恐怖で逃げ出した。きっと今タイムを計ったら、自己ベストを更新しただろう。