214草子
工作する後輩
【工作する後輩】
入学したときからずっと片想いしてきた先輩にチョコを渡すと言ったら、友だちに驚かれた。
薄々気付いてはいたけれど、先輩は相当な人気者で、毎年持ち切れないくらいのチョコをもらうらしい。
じゃあ一度も話したことがなくて何の接点もない後輩のことなんて知らないだろうし、わたしのチョコは埋もれて、何の記憶にも残らないかもしれない。
渡す前から落ち込んでしまったわたしを見て、友だちはこんなことを言い出した。
「先輩の記憶に残るような、インパクトのあることをしよう!」
そしてクラス中、何なら隣のクラスまで行ってお菓子の空き箱をかき集め、それをのりやテープで繋げていく。
お昼休みを全部使って、完成したのは空き箱で作ったロボットだった。胴体部分に使われているのは、わたしが用意したチョコレートの箱。背中には翼の形をしたメッセージカード。それにわたしの学年とクラスと名前、そしてメッセージを書けば、できあがり。
「これで絶対覚えてもらえるね!」
覚えてはもらえるかもしれないけれど……まず変人って思われそう……!
入学したときからずっと片想いしてきた先輩にチョコを渡すと言ったら、友だちに驚かれた。
薄々気付いてはいたけれど、先輩は相当な人気者で、毎年持ち切れないくらいのチョコをもらうらしい。
じゃあ一度も話したことがなくて何の接点もない後輩のことなんて知らないだろうし、わたしのチョコは埋もれて、何の記憶にも残らないかもしれない。
渡す前から落ち込んでしまったわたしを見て、友だちはこんなことを言い出した。
「先輩の記憶に残るような、インパクトのあることをしよう!」
そしてクラス中、何なら隣のクラスまで行ってお菓子の空き箱をかき集め、それをのりやテープで繋げていく。
お昼休みを全部使って、完成したのは空き箱で作ったロボットだった。胴体部分に使われているのは、わたしが用意したチョコレートの箱。背中には翼の形をしたメッセージカード。それにわたしの学年とクラスと名前、そしてメッセージを書けば、できあがり。
「これで絶対覚えてもらえるね!」
覚えてはもらえるかもしれないけれど……まず変人って思われそう……!