クロユキ
「えぇ……」


少女は納得してないみたいだ。



オーナーが口を開く。



「もともと、そういう名前」 



ね? と、また猫を撫でる。



「この猫はな、10年以上生きてるんだぞ」


店長が自分のことのように話し始める。


「寿命長っ」


さっき猫に驚いためがねの少年が、また驚く。


「倒れてたところを助けたんだ。そうでしたよね?」


オーナーはそっと頷く。



「じゃあ、オーナーさんとおそろいだね!」


茶髪の少年が目を輝かせる。



「だって、オーナーさんの名前って……





     クロでしょ?」





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